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人口約20万人の東京都東村山市に独立開業した「小麦工房 ラウンドハウス
オープンして半年。今でも日商30万円をキープ
 昨年12月15日に人口約20万人の東京都東村山市に独立開業した「小麦工房 ラウンドハウス」は
この消費低迷の時代の中、半年経った現在でも、日商30万円の売上をキープしている。
その成功した経営スタイルは現在までに至るたくさんの経験と出会いから得たパン屋さんの理想像を実行し、結果として表れたものといえる。その成功の秘訣とは・・・・・・。

駐車場付48坪の郊外型スタイル。
 西武新宿線の東村山駅から車で10分余、所沢街道沿いの久米川町レナウンの工場隣り、両サイドが交差点に面する典型的な郊外型店舗。三橋さんが仕事の通勤路にあった当地のコンビニが閉店しているのを目に止め、契約にこぎつけた。
店舗は製造19.6坪、売場15坪、事務所などで48坪の広さである。駐車場は約9台分のスペースが有り、遠方からのお客様にも対応できるが、平日の夕方や土曜日はこのスペースはすぐに埋まってしまうとのこと。
 三橋さんのコンセプトから店のイメージカラーは緑にし、店舗の棚には一部丸太を使用。椅子代わりに根株を置いたり、小鳥のグッズを飾ったりと森の雰囲気を演出することでお客様にくつろぎの時間を与えることを考えたものである。
夢のパン屋さん出店にはこだわりが必要。
 三橋さんは小平市出身の37歳。実家は35年も続く老舗のパン屋さん。幼少の頃からパン屋さんを手伝い、育ったという。
その後、製菓学校に通い、卒業後は千葉のパン屋さんや花小金井のパン屋さんで働いていました。
 そんな時、ある出会いがきっかけでダイユーの製造応援員となり、独立までの10年間在籍。120軒ものパン屋さんのお手伝いを
して来た。その間の出会いや経験、知識を生かした店舗理想像が現在の店舗コンセプトとなっている。
 こだわりのコンセプトを実現するための総投資額は3800万円。自己資金は1000万円でのスタートだったが、お金の問題よりもこだわりの実現を優先し、融資をフルに活用しての資金調達が成功した。
こだわりの”ラウンドパン”がお店の象徴。
 店名にもなっているラウンドパンはお店のメイン商品。丸型で焼いた柔らかく、食べやすい大きさの焼きたてパンは価格も280円と手頃な価格で1日に80〜90本、3万円以上の売上を上げている。三橋さんはラウンドパンへのこだわりが強く、曜日により配合やフィリングを変えたラウンドパンを販売。常備ラウンドパンとしてプレーン、チーズ、チョコ、シナモン、大納言と豊富なアイテムがあり、いずれも限定本数で午後3時頃には売り切れてしまうという。販売方法にもこだわり、型ごと入れる専用箱や専用台まで揃える。三橋さんのラウンドに対する意気込みがお店の中に盛り込まれている。
「焼きたて、揚げたて、作りたて」の3本柱がお客様を呼ぶ
 ラウンドパン以外にも商品アイテムは多数あり、100アイテムほどの焼きたてパンが店頭に並ぶ。中でも調理パン、菓子パンは毎日3〜5回の焼きたてパン。カスタードクリームをはじめフィリングはすべて自家製にこだわり、カレーパンのフィリングも手間暇が係るが自家製で作っている。この手間暇とお客様に美味しいパンを食べていただきたいという愛情がお客様を引き込む要因ともなっている。
 プライスカードにもお客様が安心してお買い物できるようこだわりが見られる。オリジナルの商品説明以外に
甘さ度や添加物使用量度、たまごの使用や牛乳の使用を各アイテムごとに明記し、商品情報をわかりやすくしている。三橋さんの一人一人のお客様を大切にしている気持ちが表現されたものである。
その結果として客単価は600円台と高い金額を維持している。
独立は30歳を目標に
 三橋さんの基には勤務希望者が後を断たない。しかし独立希望者しか採用しない、そして独立のため30歳定年を訴える。これは自らの体験から生まれた信念である。
三橋自身は30歳で独立を希望していたが、32歳という目標も過ぎ、36歳になってしまった。この体験から早い時期での独立を目標に置いた考え方が成功の秘訣だと。
 三橋さんの趣味はスキーやダイビングなどたくさんあるが、趣味以上にお店やお客様のニーズに対して考え、試行錯誤している時間が楽しいと言う。仕事にどっぷりはまり込んでいる三橋さん。
 「何事においてもこれが当たり前。普通のことをしているだけ。」という三橋さんの勤務時間は1日17時間とハードではあるが、それも当たり前のことと話す。その言葉の裏にはたいへんな努力の経過があったことを感じさせる。そういうオーナーだからこそ従業員も当たり前のように努力する雰囲気がある。
 
 控え室には従業員全員でのボーリング大会の写真が貼ってあり、皆が楽しそうな笑顔がある。従業員の心配りも大切にしている三橋さんのお店には笑顔も絶えない。これもオーナーにとっては当たり前という。
 「普通のこと、パン屋にとって当たり前のことを実行すること」。
三橋さんにその言葉の探求が終わることはないだろう。